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絶縁抵抗計の計測方法を紹介!計測する重要性とは?

電気工事においてメインの作業となるのがこちらの4つ。
  • 電線の配線作業
  • 器具への接続作業
  • 盤内結線作業
  • 配線の確認
これらの作業が終わると早速『ブレーカーON!』といきたい所ですが…これは実はNGです。 ここで忘れてはいけない重要な作業が『絶縁抵抗測定』というものです。 本記事ではそんな絶縁抵抗測定の方法や重要性をわかりやすく解説していきます。 それではみていきましょう!

 

そもそも絶縁抵抗・絶縁抵抗計とは?

絶縁抵抗、絶縁抵抗計って?という方向けに簡単に説明します。 電気は抵抗値が低い程流れやすい特性があるため、電線の芯線(中身)は抵抗値が低いもので出来ていてそれを『導体』と呼びます。
さらに導体の上から絶縁物(抵抗値が高い)でおおう事によって電流は導体にのみ流れなくなります。 この絶縁物の抵抗値は抵抗率[Ω・m]×10×6乗〜15乗とされる。 この絶縁物の抵抗値を『絶縁抵抗値』という。

絶縁抵抗計の仕組み

絶縁抵抗の値を計測するものが『絶縁抵抗計』となります。 実際の呼ばれ方としては、『メガー』と呼ばれる事が多いです。 原理としては測定物へ内部から定格電圧を発生させることで電圧を印加させ、さらに電流を測定して抵抗値を導きだします。 絶縁抵抗計の測定方法は記事後半にて説明します。

 

絶縁抵抗を計測する重要性

電気工事において、絶縁抵抗値の測定は絶対に忘れてはいけません。 その理由は大きく2つあります。
  • 漏電の防止
  • 絶縁破壊の発見
上から順に解説していきます。

漏電の防止

漏電とは読んで字のごとく。『電気が漏れてしまう』ことを指します。 電気は抵抗値の低い『導体』に流れます。 しかし、施工の過程で被覆に切れ目が入り導体がむき出しになっていたり、電線の誤接続が原因で本来流れてはいけない箇所に電流が流れて火災に繋がるケースもあるのです。 そこで絶縁抵抗を測定することで漏電の発見が可能となります。

絶縁破壊の防止

電線の絶縁被覆は漏電を起こさないような作りになっていますが、劣化によって絶縁状態を保てずに漏電、短絡を起こす事があります。 これを『絶縁破壊』といいます。 絶縁抵抗計ではその条件に適した高電圧をかけることで、その電路が絶縁破壊を起こしていないかの確認が可能。 『絶縁破壊』で事故が起こる前に未然に発見できます。

 

絶縁抵抗を計測する方法

ここでは絶縁抵抗の計測方法をご紹介します。 手順は下記の6つ
  1. 被測定回路を非充電状態にする【重要】
  2. バッテリーチェック
  3. 導通チェック
  4. アースチェック
  5. 測定【重要】
  6. 残留電圧の放電
手順の中でも【重要】の部分は事故を招きかねないので特に注意が必要になります。 それでは上から順に説明していきましょう。

1)被測定回路を非充電状態にする

絶縁測定はメガーから高電圧をかけるため、被測定回路は無電圧状態にしなければいけません。 被測定回路の直上のブレーカー、遮断器をOFFにしましょう。

2)バッテリーチェック

絶縁抵抗計のバッテリーが不足していると、十分な定格電圧が印加されない場合があります。 絶縁抵抗計のバッテリーチェックボタンでバッテリー残量が十分か確認しましょう。

3)導通チェック

絶縁抵抗計は赤と黒の2本の測定コード(電線)を通して測定します。 この測定コードが断線していないか確認するために2本の測定コードの先端を短絡させて【0Ω】がになるか確認しましょう。

4)アースチェック

大地間の絶縁抵抗を測定する場合、盤内のアース端子が正常に接地されてるか確認が必要です。 測定コード(E)を盤内の設置箇所に当てた状態で、測定コード(L)をフレームなど接地されている部分につけて電圧をかけます。 抵抗が0Ωとなれば盤内のアース端子は正常に接地されてる事がわかります。

5)測定

いよいよ測定ですが、絶縁抵抗の測定には下記の2パターンあります。 ①充電部と充電部間の場合(線間) 測定コードはどちらでも大丈夫です。
線間の絶縁抵抗測定は線の誤接続、断線による短絡の危険がないかを確認するために行います。スイッチは全てOFFにして、負荷を外してから測定しましょう。 基本的には新築の現場でブレーカー投入前に行われる作業ですね。 ②充電部と接地の場合(対地間) 充電部に測定コード(L)、接地端子に測定コード(E)を接続しましょう。
対地間の絶縁測定は電圧をかけた時に漏電を起こしていないかを確認します。こちらは停電時などに定期的に行いましょう。 被測定物によって印加するべき適切な定格電圧が定められています。 下記の表を参考に適切な電圧を印加し、抵抗値が正常か判断しましょう。

【注意点】

  • 電圧が低いと十分な絶縁抵抗を測定できません
  • 電圧が高いと、回路、負荷に負担をかけてしまい火災の恐れあり

6)残留電圧の放電

測定後は印加した電圧が残っている可能性があるので危険です。放電をしてあげましょう。 測定時から接続はそのままの状態で電源をOFFにすることで、放電完了となります。

 

まとめ:絶縁抵抗測定をして安全の確認を行いましょう

本記事では絶縁抵抗測定についてお話しました。 絶縁抵抗の測定をすることで漏電によるブレーカーの断や火災を未然に防ぐことができます。 電気は見えない物。一見問題なさそうに見えていたとしても、「実は漏電していた」なんて事はよくあります。 『施工した責任上の安心』と『設備を使用する人の安心』を守るためにも、絶縁抵抗測定は必ず行い、運用後も定期的に対地間を測定するようにしましょう!

 

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