電気関係の作業をする上で危険なのが『感電事故』です。
毎年、感電事故は必ず起きていて、程度は軽いものもあれば死亡事故になるものと危険度は様々。
特に多いのは未熟練者による感電事故ですが、実はベテラン作業員が感電事故に合うケースは少なくありません。
なぜ、何十年と作業に従事してきたベテラン作業員が感電事故を起こしてしまうのか?
それは熟練者特有の『慣れ』からくるものです。
今回は、そんな慣れからくる危険性や防止策についてお話します!
感電事故が慣れた頃におきる具体的な理由
作業員にとって『慣れ』には危険が付きものです…
では、なぜ感電事故は慣れた頃に起きてしまうのでしょうか?
具体的な理由をまとめてみました。
常態化するから
当たり前ですが、作業員は日頃の作業から感電事故への防止策を講じているため基本的に感電はしません。
しかし、それが長く続く事で感電事故の危険が隣合わせだとしても
『感電はしないもの』と錯覚を起こします。
そんな低い危険意識が常態化することで、感電事故の確率を高めてしまうわけです。
スピードを優先するから
未熟練者は品質を保つために丁寧に、時間をかけて作業します。
ですが、ベテランの作業員の場合は『熟練の技』である程度のクオリティを保つ事が可能。
品質を保てると次はスピードを求められます。
作業スピードの向上は注意力の低下に繋がることから、結果的に感電事故に確率も上がってしまいます。
長時間の作業をするから
長く同じ仕事に従事していると、仕事でかかる『負荷』、『ストレス』が軽減されていきます。
そのため納期がギリギリな時は長時間作業を継続したり、休憩を取らずに作業をしてしまう事もよくあるのではないでしょうか。
長時間の作業も注意力が散漫になるので、事故の確率は上がってしまいます。
感電事故を防止するための〇〇の方法
『慣れ』が感電事故に繋がる。とはいってもどうやって防止すればいいのか?
どんな状況でも下記の事を行うことで感電事故をグッと減らす事ができます。
検電確認をする
感電事故で多いのは誤って活線を切断、又は充電部に触れる事で起きます。
『ブレーカーは落ちているから大丈夫』と他の人に言われたとしても必ず自分で検電器、テスターをあてて本当に無電圧か?確認しましょう。
ここで注意点がひとつ。
作業対象の線が直流だった場合、被覆の上から検電しても無電圧のアンサーが出てしまいます。
直流のケーブルを扱うときは必ず前もって確認をして、充電部で検電するようにしましょう。
電線を切断する際は一本ずつ
上記の続きになりますが、ケーブル撤去のために切断する場合。
2本同時に切断すると、もしも通電常態だった場合にケーブルがショートして感電事故を招きかねません。
ケーブルを切断する際は無電圧だったとしても1本ずつ切るようにしましょう。
絶縁工具、保護具の使用
万が一のために使用する工具や、保護具は絶縁仕様(電気を通しにくい)を使うようにしましょう。
上記を使用していれば、感電の確率はかなり低下します。
できれば毎回使用するのがベストですが、作感電リスクが高いときのみの使用でも効果は得られると思います。
感電に備えて二人以上で作業しましょう。
ここまで感電事故の防止策を紹介しました。
しかし残念ながら、作業する以上感電のリスクが0%になる事はありません。
誰もがいつ、どこで感電が起きてもおかしくないので、感電事故が起きても仲間に気付いてもらえるように必ず二人以上で作業するようにしましょう。
一人作業は下記のように危険です。
感電したら逃げられない
感電すると人間の体は筋収縮(手が握ったままになるなど)を起こしてしまいます。
充電部に手のひらが触れて感電した場合、筋収縮でそのまま充電部を握ってしまって離せなくなるのが大変危険。
もちろんブレーカーが落ちる事で脱する事は出来ますが、ブレーカーが故障していたらどうでしょうか?
おそらく死にいたるでしょう。
二人作業ならもう一人に助けてもらう事が可能になります。
倒れても気づかれない
筋収縮を起こさなかったとしても、感電によって気絶をする可能性があります。
気絶すると倒れる際に『頭部を強打』、『周囲の危険物に接触』することも。
ここで誰もいないと、命を落とす危険性もあります。
命を救うためには『すぐに気付いてもらう』事が最も重要なので必ず二人以上で作業をするようにしましょう。
まとめ:恐怖心を忘れずに安全に作業しましょう。
本記事では慣れた頃に感電事故を訳と防止策についてお話しました。
今回のまとめがこちら
- 常態化にはきをつける
- スピードを意識しすぎない
- 休憩はしっかりとる
- 検電確認をする
- 電線は1本ずつ切る
- 絶縁工具を使用する
- 作業は原則2人以上でおこなう
感電は電気の作業に従事する私達のすぐそばにいます。
『自分は大丈夫』、『気をつけてるから平気』と思っている人ほど危険なのです。
感電のことに付いていろいろと意見しましたが、共通して重要なのは『怖がること』。
常に”危険な作業をしている”事を忘れずに緊張感を持って取り組みましょう!
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